【令和7年11月最新】住宅ローンの頭金は入れると損?頭金・繰上げ返済・投資に回した場合の比較

マイホームを購入するときに多くの方が悩むのが、「頭金を入れるべきかどうか」ということ。
近年は、頭金ゼロでローンを組む方も増えています。その理由は「単純に資金がないから」だけではなく、より賢い選択肢を選ぶために、あえて頭金を入れないケースもあります。
この記事では、住宅ローンの頭金の基本から、頭金を入れることで得られるメリット・デメリット、そして「入れないほうがいい」とされる理由までをわかりやすく解説します。
頭金に関する最適な答えを見つけるのに、ぜひ本記事を役立ててください。
住宅ローンの頭金とは?

住宅ローンの「頭金」とはマイホーム費用の一部のことで、住宅ローンとは別に、自己資金で用意するお金です。
たとえば総額4,000万円の家を購入する場合、頭金として500万円を支払えば、残りの3,500万円を住宅ローンとして借り入れる形になります。
昔は「家を買う」という大きな買い物のときに、頭金は必須とされていました。しかし最近では頭金なしでローンを組み、手元の資金を残すケースも増えているようです。
手付金との違いは?
頭金とよく混同しがちなのが「手付金」です。
手付金とは、住宅の契約を成立させるために支払うお金のこと。「最初に支払うお金」というイメージから、頭金とイコールで考えてしまうこともあるかもしれません。しかし実際は、契約内容によって手付金の意味合いは異なります。
手付金は「仮払金」と考えるとわかりやすいかもしれません。頭金を入れないでフルローンで契約する場合、手付金はローンを借りた際に手元に戻ってきます。頭金を入れてローンを組む予定の場合は、手付金は頭金に充てられます。
諸経費との違いは?
また、「諸費用」も手付金や頭金と混同しがちです。
諸経費とは、登記費用・火災保険料・仲介手数料などの費用のことで、住宅ローンに基本的には組み込むことが可能なお金です。
住宅ローンの頭金の目安金額
住宅ローンの頭金はいくら用意すれば安心なのでしょうか?
三井住友信託銀行「三井トラスト・資産のミライ研究所」の「令和の”住まい”と住宅ローン事情(2024年)」によると、年齢と頭金の傾向は次の通りです。
| 年齢 | 借入金額中央値 | 頭金0 | 頭金1割 | 頭金2割 | 頭金3割 |
| 20〜29歳 | 2,167万円 | 24.4% | 22% | 23.2% | 12.2% |
| 30〜39歳 | 2,858万円 | 37% | 24.4% | 13.5% | 12.2% |
| 40〜49歳 | 2,482万円 | 32.9% | 27.4% | 16.2% | 10.3% |
| 50〜59歳 | 2,336万円 | 28.5% | 21.1% | 16.5% | 16.1% |
| 60〜69歳 | 2,154万円 | 20.7% | 18.5% | 20% | 17.9% |
このデータからは、頭金は入れずに住宅ローンを申請した人がもっとも多いことがわかります。全体を見ると70%前後の人が2割以下の頭金を用意していたことから、借入希望額に対して1〜2割程度を意識して頭金を用意しておけば、ローン審査もスムーズに進むでしょう。
頭金は「必ず用意しなければならないもの」ではないため、それほど金額に神経質になる必要はなく、自分たちの今後の生活や毎月の返済負担の度合いなどを考慮し、決めることが大切です。
住宅ローンの頭金を支払うタイミング
頭金は建売やマンションの場合は、住宅ローンが実行される直前に支払うことが多いですが、注文住宅の場合は、着工前に頭金を全額入れるケースが一般的です。
住宅会社や金融機関によってタイミングは異なるため、契約前にスケジュールを確認しておくと安心です。
住宅ローンの頭金は多いと有利?

「住宅ローンの頭金は多いほうがいい」という意見もあります。しかし必ずしも多額の頭金があったほうが良いとは限りません。
頭金を入れることで得られるメリットはある
頭金を多く入れると、次のようなメリットがあります。
- 借入額が減るため、総支払利息が少なくなる
- 金利優遇(低金利ローン)を受けやすくなる
- 審査が通りやすくなる(借入リスクが低いと判断されるため)
- 毎月の返済負担が軽くなる
特に「毎月の支払いを安定させたい」「返済総額を減らしたい」という方には、有効な選択肢といえるでしょう。
有利とは限らないデメリットもある
一方で、頭金を入れすぎると手元の現金が減るリスクが生じます。また、頭金として支払う予定のお金を別の方法で活用することで、頭金を支払うより大きく、支払い負担額を減らすことも可能です。
次の章では、「頭金を入れると損」とされる具体的な理由を見ていきましょう。
住宅ローンで頭金を入れると損!とされる具体的な理由

住宅ローンは、頭金を多く入れるほど、「今後の支払いがラクになる」と感じるかもしれません。
しかし、実は頭金を入れないほうが、支払い負担を減らせる可能性もあります。
ここではその理由を4つの視点から見ていきましょう。
資産運用したほうが負担を抑えられる!
頭金を多く入れるよりも、頭金として支払う予定のお金を「運用」にまわしたほうが、最終的な負担を減らせるケースがあります。
たとえば頭金に300万円を支払う例で考えてみましょう。投資で得られる利益の平均は年間約4%。
300万円の4%であれば、年間12万円の利益を生む計算になります。運用は複利計算となるため、10年後には144万円、35年なら883万円になる計算です。
投資で得た利益を計算に含めると、頭金あり・繰上げ返済よりも、総支払い額は少なくなるのです。
頭金あり・繰上げ返済・投資を比較
頭金あり・繰上げ返済・投資の収支額の差額を把握するために、表で比較してみましょう。
| 項目 | 頭金300万円 | フルローン→5年後に300万円繰上返済 | フルローン(繰上返済なし・投資運用) |
| 返済期間 | 35年 | 約32年 | 35年 |
| 月々の返済額 | 約13万円 | 約14万円 | 約14万円 |
| 総返済額 | 約5,572万円 | 約5,533万円 | 約5,928万円 |
| 利息総額 | 約872万円 | 約828万円 | 約928万円 |
| 住宅ローン控除(概算) | 約340万円 | 約336万円 | 約350万円 |
| 頭金を投資に回した場合で得られる金額 | 頭金を支払うので0円 | 繰上げ返済にあてるので0円 | 約883万円(300万円×1.04)×35年 |
| 実質負担額(返済−控除−投資益) | 約5,232万円 | 約5,197万円 | 約4,695万円 |
このように、頭金を入れずにその分の金額を運用に回した場合、頭金を入れる・繰上げ返済をしたケースより、実質負担額が最も少なくなります。
もちろん投資にはリスクがありますが、4%以上の利益を得られるチャンスも豊富です。
借りたお金の金利より、運用で増えるお金の利回りのほうが大きくなる可能性が十分にあるため、頭金よりも投資に回すほうが、住宅ローンの支払い負担を抑える上では賢い選択かもしれません。
インフレ時代は現金の価値が下がる
最近、スーパーで「前より値上がりしたな」と感じることはありませんか?たとえば人気のアイスも昔は100円で買えたのに、いまは200円ほどします。

これはアイスが高くなったのではなく、お金そのものの価値が下がったと捉えられます。この現象を「インフレ」と言います。
インフレの時代は現金の価値は下がる一方ですが、株式や不動産などの「モノの価値に連動する資産」は上がりやすい傾向にあります。
頭金として現金をすべて住宅に注ぎ込んでしまうと、こうしたインフレの恩恵を受けにくくなり、将来的に資産を増やすチャンスを逃すことにつながります。
団信の保障額を減らしてしまう
住宅ローンを組むと、自動的に加入するのが「団体信用生命保険(団信)」です。団信に加入すれば、ローンの借主に万が一のときがあった際、ローン残高がゼロになります。
簡単に言えば「借入残高と同じだけの保険金を受け取れる生命保険への加入」ということです。
頭金を入れると、この団信の保障額が自動的に減ってしまいます。
たとえば5,000万円のローンを組んだとします。1,000万円を支払い終えたタイミングで、万が一が発生した場合、残りの4,000万円がすべて保障対象になります。
しかし、頭金を300万円入れて4,700万円の借入をし、1,000万円の支払いを終えた場合、保障額は3,700万円しか受け取れません。
このように、頭金を入れた分だけ保険で保障される金額が減ってしまうため、万が一が生じたとき「残りのローンが全て保障されるなら、頭金を入れなくても良かった」と感じる可能性があります。
突発的な出費に対応できなくなる
頭金として支払ったお金は住宅ローンに組み込まれるため、あとから引き出すことはできません。
手元にお金がないことで、次のような出費が重なったとき、生活が圧迫される可能性があります。
- 子どもの進学や留学費用
- 家族の病気・介護
- 車の買い替えや修繕
- 住宅のメンテナンス費用
「支払いを早く終わらせたい」と思うかもしれませんが、最初に多くのお金を支払って家を購入するのは、今後の生活を考えるとややハイリスクです。
加えて住宅ローンの「繰上げ返済」は、あとから選択することもできます。
そのため手元にあるお金を住宅ローンの支払いに回す必要があるかどうか、焦らずにじっくり考えることが大切です。
住宅ローンの頭金を入れたほうがいい人・いれない方がいい人の特徴

住宅ローンの頭金を入れるかどうかは、家計の状況や性格、将来の見通しによっても変わります。それぞれのタイプを整理して、自分に合った判断をしていきましょう。
【入れたほうがいい人】
- 借入額を減らして安心したい人
- 投資や運用が苦手な人
- 金利上昇に強い不安を持っている人
将来の金利変動や返済総額を気にせず、精神的な安心を重視したい方や確実性を求める方は、頭金を入れる選択が向いています。
【入れないほうがいい人】
- 80歳近くまでローンを組む方
- 定年が近い方
- 手元資金を運用・再投資したい人
- 投資・株・NISAに関心がある人
- 家計に余裕を持たせたい人
一方で、中期〜高齢の方や資産を柔軟に使いたい方、長期運用を考えている方は、頭金をあまり入れないほうが賢明です。
とくに年齢が高い方は、病気やケガによる万が一のリスクも高くなる時期。貯金を減らして頭金を支払うよりも、頭金として支払う予定だった金額を投資に回し、団信の保障を手厚くしたほうが、家族により多くのお金を残せる可能性がアップします。
なお、団信の保障を手厚くすると他の生命保険と内容が被る部分も発生するため、保険の整理を忘れずに済ませておきましょう。
住宅購入後の貯金残高はいくら残しておくべき?
住宅を購入したあとは、少なくとも生活費の6か月分、できれば12か月分を目安に貯金を残しておくと安心です。
また、以下の金額は基本的にローンに組み込むことはできないため、住宅購入の際はこれらの費用を手元に残しておく必要があります。
- メーカー以外の外構費用
- 引越し代
- 取得税などの税金
- 家具・家電・カーテン(住宅メーカーに依頼する場合はローンに組み込める場合あり)
頭金を入れる場合も、入れずに投資に回す場合も、今後の生活や住宅購入に支障のない程度のお金は手元に残しておきましょう。
住宅ローンの頭金を入れるか入れないか。判断時のポイント

最終的な判断のポイントは、自分と家族のライフプランをどう描くかです。
今後の収入見通しや子どもの進学、転職や独立の予定などを考慮し、無理のない返済計画を立てましょう。
不安な場合は、住宅会社やファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。客観的なアドバイスを受けることで、後悔のない判断がしやすくなります。
まとめ
住宅ローンの頭金は、多く入れるほど安心ですが、必ずしもそれが正解とは限りません。
将来の資産を育てることや、手元にお金が残る安心感を考慮すると、頭金は支払わないほうが賢い選択になる可能性もあります。
しかし何を優先するべきか、最適な答えは人それぞれです。大切なのは、自分や家族のライフプランに合ったバランスを見つけることです。
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