【住友林業】全館空調システム「PRIME AIR」の費用やメリット・デメリット

【住友林業】全館空調システム「PRIME AIR」の費用やメリット・デメリット

家全体を一年中快適に保つ全館空調システム。住友林業では従来の「エアドリームハイブリッド」を進化させ、新たに「PRIME AIR(プライムエア)」を展開しています。

省エネ性の向上やコスト削減が期待できる一方で、導入条件や注意点もあるため、採用時はじっくり検討することが大切です。

本記事では、PRIME AIRの特徴や費用、メリット・デメリット、口コミまでを詳しく解説します。

住友林業の全館空調システムとは?

家全体を快適な温度に保てる「全館空調」は、多くのハウスメーカーが力を入れている分野です。住友林業でも従来の「エアドリームハイブリッド」から進化させた新システム「PRIME AIR(プライムエア)」を導入しています。

ここでは、その特徴や旧システムとの違いを見ていきましょう。

新システム「PRIME AIR」の特徴

「PRIME AIR」は、従来の専用機械型ではなく、ルームエアコン1台と調湿換気装置を組み合わせて家全体に空調を行うシステムです。

住友林業の全館空調PRIME AIR

これにより、冷暖房と同時に湿度もコントロールでき、より快適な住環境を実現できるのが大きな特徴です。

旧システム「エアドリームハイブリッド」との違い

PRIME AIRと旧型である「エアドリームハイブリッド」の大きな違いは、空調機の形状です。

旧システム「エアドリームハイブリッド」との違い

エアドリームハイブリッドは天井裏や小屋裏に専用機械を設置し、そこから各部屋へ送風する仕組みでした。一方、「PRIME AIR」では通常のルームエアコンを活用し、その風を家全体に循環させる方式を採用しています。

設備コストを抑えつつ、全館空調の快適さを得られるよう工夫されたことは、大きな進化と言えるでしょう。

また、費用面に関しても改良がされており、従来のエアドリームハイブリッドと比べると、PRIME AIRは導入費用・電気代どちらも安価になっています。

PRIME AIRにかかる費用

コストのイメージ

全館空調は快適さの一方で、導入や維持にどれくらいのコストがかかるかが気になるところです。PRIME AIRは前作の「エアドリームハイブリッド」と比べて、初期費用で約2割、ランニングコストで約4割削減できるとされています。

ここでは、導入から維持までの費用目安を整理してみましょう。

初期費用(導入費用)の目安

公式な発表はありませんが、ミタイエの調査によると、エアドリームハイブリッドの導入費用は200万〜300万円程度でした。

そこから2割ほど安くなったと考えると、PRIME AIRの初期費用は160万〜240万円程度が目安になります。

電気代の目安

PRIME AIRの月々の電気代はおおよそ6,000円〜1万5,000円程度とされています。ただし、季節や家の延床面積によって変動するため、あくまで参考値として捉えると良いでしょう。

メンテナンス・交換費用の目安

旧システムでは年間約4万円前後の定期点検費用がかかっていました。メンテナンスコストに悩む方も少なくありませんでしたが、現行のPRIME AIRは一般的なエアコン機器を利用して、空調を整えます。

そのため大きなメンテナンス費用は必要なく、年に1回メインフィルターの交換と、2か月に1度ほどの防虫ネット・換気RAグリルの清掃を行うだけで、快適に使用することが可能です。

住友林業の全館空調PRIME AIRのメンテナンス

メインフィルターの交換費用は5,000円〜2万円程度が目安です。大きな負担ではありませんが、維持費として計画に入れておくと良いでしょう。

住友林業の全館空調のメリット

ここからは、PRIME AIRを導入することで得られる主なメリットを見ていきましょう。

家全体が快適な温度に保たれる

住友林業PRIME AIRの特徴

PRIME AIRは部屋ごとに風量の調整が可能です。従来の全館空調のように「暑がりの人に合わせると、家全体が寒くなる」「リビングは温かいけど廊下は寒い」といった心配はなく、空間に合わせた心地よい空調を保つことができます。

ヒートショックやアレルギーの予防にも

住友林業PRIME AIRの特徴

冬場にリビングと脱衣所の温度差が大きいと、ヒートショックの原因になることがあります。PRIME AIRなら家全体の温度差を小さくできるため、健康リスクの軽減につながります。

また、高性能フィルターが搭載されているので、外気を取り入れる際は花粉やPM2.5などが除去された、きれいな空気を室内に送り込むことが可能です。

こうした健康面にも配慮されている点は、ご高齢の方やお子さまがいる家庭にとって、導入を検討する際の良い判断ポイントとなるでしょう。

省エネ性能が高い

住友林業のPRIME AIRの省エネ性能の高さ

PRIME AIRは従来システムよりも省エネ性が向上しており、効率的に運転できる点もメリットです。

たとえば、一般的な全館空調システムと比べて、PRIME AIRは年間費用4割ほど軽減できる計算となっています。導入費用は決して安くありませんが、ランニングコストの削減ができ日々の負担が抑えられることから、長期的に見れば導入コストを上回るメリットを得られる可能性があります。

住友林業の全館空調のデメリット

デメリットのイメージ

一方で、住友林業の全館空調は、導入前に理解しておきたい注意点もあります。その内容も、確認しておきましょう。

初期費用が高額

PRIME AIR導入費用は従来よりは安くなったとはいえ、160万〜240万円ほど必要になります。エアコン単体に比べると大きな投資が必要となるため、導入には慎重な判断が求められます。

故障時のリスクがある

PRIME AIRに限らず全館空調に共通する内容ですが、全館を1台のシステムでカバーするため、故障すると家全体の空調が止まってしまいます。

修理費用や復旧までの不便さも考慮しておく必要があります。

メンテナンスの手間と費用

全館空調にはフィルター交換や点検など、定期的なメンテナンスが欠かせません。ランニングコストは旧システムより抑えられるといっても、維持費がゼロになるわけではない点は、押さえておきたいポイントです。

電気代が思ったより高いケースも

PRIME AIRは一般的な全館空調と比べて、約4割ほど電気代が抑えられるよう設計されています。

しかし使い方や家の断熱性能によっては、想定以上に電気代がかかる場合があります。特に冷暖房をフル稼働させている家庭では、導入しても思ったほどのコストダウンは実感できないかもしれません。

導入に条件がある

PRIME AIRはすべての住宅に導入できるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。

条件内容
対応仕様省令準耐火仕様の家に対応
断熱性能UA値0.46以下を満たすこと
対応地域日本の5〜7地域(東京・名古屋・大阪など本州中部以南)※北海道・東北北部などの寒冷地では使用不可
適用床面積平屋:約2坪までの空調室設置2階建て:1階・2階それぞれ19坪まで(合計約38坪まで)

特筆する点は、導入可能な地域です。北海道や東北部などの寒冷地では、PRIME AIRを導入できない可能性があるので注意しましょう。

以下は、対応地域の断熱基準を表した図です。オレンジ系・赤以外の地域は設置不可となります。

本州内陸部であっても山沿いではPRIME AIRを設置できない可能性があるため、心配な方は事前に問い合わせておいたほうが良いでしょう。

PRIME AIR導入の目安
画像引用元:国土交通省

住友林業の全館空調「PRIME AIR」に関する口コミ・評判

口コミのイメージ

住友林業の全館空調PRIME AIRを実際に導入した人、採用を見送った人それぞれの口コミをミタイエが独自に調査し、まとめました。

導入を検討している方は、経験者の声を参考にしてみてください。

導入してよかった声

「各部屋のドアを開けっぱなしにしても気にならないのは嬉しい!」

「私たちの暮らしには合っています」

満足している声では、室温が均一になる快適さや、デザイン面での納まりの良さを評価する意見が目立ちました。とくに「生活動線を邪魔しない空調システム」という点が、導入を決めた理由として挙げられることが多いようです。

採用しなかった人の理由

「めちゃくちゃ乾燥すると聞いた」

「初期導入費もそうだけど、メンテナンス費用も高すぎる」

「グリル付きのドアが廊下にあるのが、嫌だと思った」

導入を見送った人の声では、費用面への不安と空調方式ならではの生活感が気になるという意見がありました。とくに乾燥に関しては、加湿器などの補助機器が必要と感じる人も多いようです。

他社と住友林業の全館空調を比較

全館空調は競合のハウスメーカーも導入しています。住友林業のPRIME AIRと他社の全館空調を比較してみましょう。

メーカー空調方法空調機設置場所吹き出し口特徴導入費用
住友林業 PRIME AIRエアコン1台+調湿換気空調室天井/壁上部調湿・空気清浄に特化200万〜300万円前後
セキスイハイム快適エアリー床下/基礎部分足元が暖かくなる50万円〜200万円前後
三井ホームスマートブリーズ天井裏/小屋裏天井/壁空気清浄に特化140万〜220万円前後

PRIME AIRは導入費用がやや高めですが、調湿や空気清浄といった機能性を重視した仕組みが大きな特徴です。一方、セキスイハイムは床からの温風で快適さを得られる点が強みで、比較的導入費用も抑えられます。

三井ホームは空気清浄に力を入れており、アレルギー対策を意識する人に選ばれています。

それぞれのメーカーに特色があるため、どの性能を重視するかで最適な選択肢は変わってきます。

比較を効率的に進めたい方は、カタログを取り寄せて複数メーカーの特徴を一覧で確認してみるのもおすすめです。

まとめ

住友林業の全館空調システム「PRIME AIR」は、従来のエアドリームハイブリッドに比べて初期費用やランニングコストを抑えつつ、快適性や省エネ性を高めた仕組みが特徴です。

家全体の温度を均一に保ち、ヒートショックやアレルギー対策にもつながるなど、暮らしの質を大きく高めてくれます。

一方で、初期導入費用や定期的なメンテナンスは無視できないコストとなります。また、対応できる地域や断熱性能に条件があるため、事前の確認は欠かせません。

導入を検討する際は、メリットとデメリットをしっかりと比較したうえで、他社の全館空調システムとも見比べながら、自分たちの暮らしに合う選択をすることが大切です。


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